【DAM企業】企業のSDGsの取り組みを知る 末長小学校で出張ワークショップを実施

2024年9月5日、川崎市立末長小学校に、DAM(脱炭素アクションみぞのくち)企業ほか、環境課題の解決に取り組む企業・団体14組が集結。小学5年生を対象に、各企業・団体の取り組むSDGsについて学ぶワークショップを行いました。

ワークショップは約15分の講義と5分の質疑応答の計20分程度で、子どもたちはグループにわかれて興味のあるブース3つを回ります。

それぞれ企業・団体の特色をいかしたワークショップが行われました。

ブースの様子をピックアップしてお届けします。

身近なところから木を考える 株式会社ノンバーバル

税理士であり、アロマオイル製造や音楽、剣術と幅広く活動する髙橋昌也さん

地元高津区で栽培されている柑橘類を主な原料にしたアロマオイルを製造・販売している株式会社ノンバーバル。

原料となる柑橘の皮をむいて、薪でお湯をわかすようにして蒸留していること、最終的にボトルに詰める作業に関しては地域の福祉施設に依頼していることなど、アロマオイルの製造工程の説明がありました。

木刀を使った剣術を体験。見事に技が決まると大きな拍手が

長年剣術を学んでいるという代表の髙橋昌也さんが、木刀を取り出すと、児童たちは前のめり。髙橋さんの指導の下、殺陣にも挑戦しました。

実は、江戸時代に盛んに行われていた大山講の際には、木刀を収めていたという歴史があり、大山街道は木刀と深いつながりがあるそうです。

木刀を作るには、真っ直ぐで綺麗な木が必要になります。しかし、そういった木が減っているといいます。

現在、日本の森はギュウギュウに木が生えている状態です。人も距離が近すぎると、居心地が悪く息苦しく感じるのと同じで、気持ちいい環境とは言えません。だからこそ、木を積極的に使う必要があるということを、体験しながら学びました。

また、税理士でもある髙橋さんからは、SDGsの目標の一つ「8 働きがいも経済成長も」がいかに大切であるかの話もありました。

森と人が共存するために大切なこと 川崎市で木育を広め隊

川崎市で木育を広め隊代表で保育士でもある君ひとみさんは、おもちゃ遊びを通した居場所づくりをする活動をしています。

楽しい木のおもちゃに興味津々

まず手にして見せたのは北海道のカバの木を使ったおもちゃ。

もう1つは杉でできている積み木です。

杉というと花粉症の人にとっては、悪いイメージもあるかもしれませんが、杉の木等、人工的に植えた木々が何十年も経って大きくなり過ぎていることにそもそもの問題があります。そのように問題がつながっていることを考えるきっかけにしてほしい、と話しました。

森を守るにはどうしたらいいかを考えると、そのままにしておくのが良いのではと思ってしまいますが、現在は、伐って使うことが大切だと言われています。現状は、満員電車のように、森が窮屈になっていることが問題になっているのです。

伐った木にも炭素を固定する力があるので、木をおもちゃや家具などに使うことは脱炭素にもつながります。

紙芝居の途中のクイズは大盛り上がり!

ワークショップの後半には、「いっくんとじゅりちゃん 地球を守れ!大作戦!!」という紙芝居の読み聞かせがありました。樹のじゅりちゃんといっくんという男の子が、大量に発生してしまった二酸化炭素に立ち向かっていくという友情物語で、児童たちは楽しく森を守る大切さを学びました。

エネルギーの地産地消 川崎未来エナジー株式会社

川崎市とNTTのグループ企業や東急など7者が連携して2024年4月に事業を開始したばかりの川崎未来エナジー株式会社。

身近にある電気について真剣に話を聞く児童たち

目に見えない電気がどう作られているのか、普段はあまり考えることのない部分ですが、まず「末長小学校で使用されている電気はどのように発電されているでしょう?」という問いかけがありました。

実は、末長小学校で使用している電気は、たちばな処理センターなどでごみを燃やして発電する「ごみ発電」で作られているそうです。

ごみ発電は、太陽光発電や風力発電と同じ再生可能エネルギーの一つに分類されるバイオマス発電といわれるものです。

児童からはごみ処理場の煙突の仕組みについても質問が

ごみを800度もの高温で焼却することで、ダイオキシンなどの有害物質を発生させることなく処理し、その熱から蒸気を作り、蒸気でタービン発電機を回すことによって発電をするという仕組みです。

ごみが資源となり、エネルギーに転換される、”エネルギーの地産地消”に取り組んでいるのです。

児童からの「これから取り組みたいことは何ですか?」という質問には、「今後は学校だけでなく、企業に広げ、いずれはみなさんのご家庭にも再生可能エネルギーを届けたい」と回答されていました。

ワークショップ終了後、児童の代表からは「夏休みに自分が取り組んできたことがCO2を減らすとわかったので今後も続けていきたい」という感想が聞かれました。

末長小学校 SDGsワークショップ 参加企業・団体一覧

株式会社ノンバーバル

NPO法人みどりなくらし

リコージャパン株式会社

日本ダスト株式会社

川崎未来エナジー株式会社

川崎市環境局脱炭素戦略推進室

スナイプバレー合同会社

かわさき市民共同おひさまプロジェクト 協力:ソーラーチーム

株式会社かみやま みんなのこはるびより食堂

株式会社JTB川崎支店

川崎市で木育を広め隊

学生服リユースショップ さくらや川崎店 

川崎市地球温暖化防止活動推進センター

かわさき環境学習プロジェクト