体験を通して環境を学ぶ「第11回かわさき環境フォーラム」開催レポート

2023年12月10日、川崎市高津市民館にて、川崎市地球温暖化防止活動推進センター・主催で「第11回かわさき環境フォーラム」が開催されました。

脱炭素クッキングやソーラーオルゴールのバースデーカードの工作など、10種類の手作りイベント、鉛筆を使った発電や断熱効果の実験など、7種類の体験型イベント、さらにはスタンプラリーや不用品の交換会、じゃんけん大会と盛りだくさんの内容で、たくさんの親子連れで賑わいました。

書いた人:まるっとサステナキャンプ公式

主に「まるっとサステナキャンプ」のインターンが行っている活動について記事で発信していきます。

脱炭素クッキング 大豆ミートで餃子を作ろう! (グリーンコンシューマーグループかわさき)

「脱炭素クッキング」では、子どもたちがグループにわかれて、大豆ミートの餃子づくりに挑戦しました。

肥育と繁殖を合わせた肉牛生産全体の温室効果ガス排出量(CO2換算)は牛1頭あたり10,509kgというデータもあり※、おいしく環境に優しい食品として大きな注目を集めている大豆ミート。最近は、スーパーで手軽に買えるようになったほか、川崎市立の小中学校の給食で大豆ミートを使ったドライカレーが提供されたこともあり、身近になりつつあります。

※参照:畜産物に関する温室効果ガス排出量の算定の特徴と取組例

https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/climate/visual/attach/pdf/r4_1-9.pdf

そんな環境にやさしい大豆ミートを使用する意味だけではなく、地元の旬の野菜を食べれば輸送によるCO2排出量の削減につながることや、片付けの際にはまず古布で油汚れを拭きとったあと重曹スプレーで洗い物をする、水は必要な分だけを使うなど、調理の過程でも環境に配慮をするように、呼びかけがありました。

今回作るのはは皮まで手作りの水餃子。はじめて包丁を使うというお子さんもいましたが、自分からやってみたいと材料を切っていました。調理の合間にも、お皿を運んだり、洗い物をしたりと参加したお子さんは積極的に行動していました。

そうしてできあがった餃子に「もちもちしておいしい!」と大満足の様子でした。

ソーラーオルゴールのバースデーカードを作ろう!(ソーラーチーム)

ソーラー電池を使ったバースデーカードづくりの工作教室。まずは、環境のために太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーを利用する大切さ、また現状の日本では化石燃料の発電がメインのため、二酸化炭素を出さないために省エネを心がけることの大切さについての話がありました。

そのうえで、工作がスタート。厚紙にソーラー電池を張り付け、飛び出す絵本のような仕掛けを作ります。

ソーラー電池を光にあてると、電子オルゴールからバースデーソングが流れます。この場では、完成はせず最終的には家で仕上げということでしたが、それぞれが完成形を想像しながら、真剣に取り組んでいました。

縄文時代から学ぶSDGsとミニ縄文土器作り(環境教育学習プロジェクト)

縄文時代は、獣を狩ったり、海で魚や貝をとったり、森や山から木の実などを採集しながら、集落で暮らしていました。豊かな自然環境と共生し、大きな争いもなく人々が平和に暮らす、「SDGs」をおよそ1万年もの間、実践できていた時代ともいえます。

そんな縄文時代に少しでも触れる機会となったのが、このミニ縄文土器作り。

素焼き風の仕上がりになる粘土を使って、当時のように縄を表面に転がして縄目模様をつけたり、つまようじで絵を描いたりして、縄文土器のミニチュア版を作ります。

参加した子どもたちからは「縄文時代のことを知ることができて、また土器を作るのも楽しかった」「縄文時代という昔に、こんな土器ができるんだと驚いた」という感想がありました。

廃材プラ活用でストラップを作ろう!(3R推進プロジェクト)

普段は棄ててしまう、お弁当のふたなど、透明のプラスチックごみを、いわゆる「プラバン」の要領で、ストラップにします。

まず、ベースになるお気に入りのイラストを選び、それぞれが好きなキャラクターを描いて、色を塗っていきます。

最後に、トースターで焼くのですが、その際、熱によって縮む力が働くので、大きくプラスチックが曲がります。その様子を見て、子どもたちから大きな感嘆の声があがります。

最後に好きなストラップ紐を選んで完成!

棄てるはずのものが、素敵なストラップに生まれ変わりました。

鉛筆から”泡”プクプク不思議な電池(省エネグループ)

乾電池など一度使いきったら終わる一次電池や、充電してくり返し使用する二次電池などの、『電池』とはまったく違い、水素と酸素の化学反応によりいつまでも電気とお湯を作り出すことができるのが『燃料電池』です。

二酸化炭素を排出しない環境に優しい発電方法として注目されており、最近では、燃料電池を搭載した、水素ハイブリッド電車「HYBARI」が南武線で試運転が始まっています。

そんな燃料電池の仕組みを身近な鉛筆を使った実験で理解することができます。

両側をけずった鉛筆を重曹水につけて電池とつなげると、小さな泡が出てきます。これは水が水素と酸素に分かれている証拠。こんどは、その鉛筆に、LEDライトをつなげるとライトが光ります。この実験に子どもたちはもちろん、一緒に見ていたお父さん、お母さんも興味津々でした。

断熱の効果と秘密の力を実験で確かめよう!(川崎サバイバル)

夏涼しく冬温かい快適な家になれば、冷暖房を使用する頻度が減り、省エネにつながり、環境にもやさしく、電気代の節約にもなります。

普段はあまり見ることの断熱材の効果についてわかりやすい実験で確認します。

断熱材を使った模型の家と、断熱材の入っていない模型の家、2種類の間に、電球を置いて、定期的に温度を測って記録していきます。

最初、温度の上がり方は同じくらいですが、時間が経つにつれて、断熱材のある家のほうが、1~2度温度が高くなることがわかりました。

じゃんけん大会(川崎市地球温暖化防止活動推進センター)

最後に、大いに盛り上がったじゃんけん大会。と言っても、普通のじゃんけん大会とは違い、脱炭素に関するクイズの答えを3つの選択肢からグー・チョキ・パーを使って回答。じゃんけんに勝った人が正解というもの。

問題は、「家に眠っている使われていない洋服の平均の枚数は?」「まだ食べられるのに捨てられてしまう食べ物をなんという?」など、生活の中でも身近なものばかり。

「最初はグー、またまたグー、脱炭素クイズでじゃんけんポン!」のかけ声に合わせて、思い思いの回答を出します。参加者たちは1問ごとに一喜一憂。最後まで勝ち残った人には、地元のとれたての野菜や省エネグッズがプレゼントされました。

食や科学、歴史などいろんな面から環境にやさしい行動を学ぶことができたこのイベント。終始多くの人で賑わい、参加者は笑顔で会場をあとにしていました。まるっとサステナキャンプでは、こうした地域のイベントにも注目し、情報発信を続けていきます。