2023年9月19日、川崎市立末長小学校に、DAM(脱炭素アクションみぞのくち)企業ほか、環境課題の解決に取り組む企業・団体14組が集結。それぞれ設置したブースで、小学5年生を対象に、SDGsについて学ぶワークショップを行いました。
ワークショップは各20分、子どもたちはグループにわかれて興味のあるブース3つを回ります。
ファッションビルを運営する株式会社丸井では、小学生もなじみのある「メルカリ」を通じた循環型社会の実現、捨てるをなくすリユースについて、産業廃棄物収集を行う日本ダスト株式会社では、廃棄物の処理やリサイクルについてなど、それぞれ企業・団体の特色をいかしたワークショップが行われました。
各ブースの様子をピックアップしてレポートします!
川崎の海から見える環境問題
ダイビングの講習などをおこなうスナイプバレー合同会社では、身近な川崎の海からわかる、環境問題について考えるワークショップを行いました。
川崎にはビーチは東扇島にある1か所だけ。まずは、その東扇島から潜った海の中のようすを写真や動画で観て、きれいな場所にしか生息しないタツノオトシゴなど、稀少な海の生物がいるようすに子どもたちもびっくり。
そんななか、やはりゴミが漂っているようすも。
そこから、なぜ海のゴミが問題なのかを詳しく解説。例えば、スーパーのポリ袋は海で分解されるまでに約20年もかかり、カメがエサと間違えてそれを食べてしまうとずっと胃袋に残り続けてほかのものを食べなくなってしまうことなど、衝撃的な話もたくさんありました。
実際に海で拾ってきたマイクロプラスチックごみには子供たちも興味津々。どうしたらプラスチックごみを減らせるかを考え、「マイバッグを使う」や「ストローはプラスチックじゃないものを選ぶ」などの意見が出ました。
環境にやさしい買い物の仕方を知る
生協(生活協同組合)のひとつであるかわさき生活クラブでは、「選ぶチカラでSDGsに貢献しよう」をテーマに、毎日の買い物にも応用できそうな環境に良い商品の選び方を紹介。
まずは、このSDGsの全体像を理解するために、「ウエディングケーキモデル」と呼ばれる、下から順に「環境」・「社会」・「経済」という3層構造になった図で、土台となる環境を守ることの大切さを視覚的にもわかりやすく解説しました。
海外から輸入したものと地元の野菜、どっちが環境にやさしいか?などクイズも交えて、地産地消の重要性を伝え、子どもたちもクイズに手を挙げて回答し楽しんでいました。また、500回もくりかえしつかえるRマークの付いたリユースびんを通して、リサイクルよりも大幅にプラスチックごみが削減されるリユースのしくみや、再生可能エネルギーはなぜ環境に良いかなどを、見やすいスライドで解説しました。
参加していた子どもたちも、環境によい商品えらびについて考え「そもそも無駄な買い物をしないほうが良い」「リユースびんがすごい」などの意見が出ました。
家庭の使用済みてんぷら油をリサイクル
かわさきかえるプロジェクトでは、家庭の使用済みの食用油を回収し、バイオディーゼル燃料への循環や石けんに変える取り組みを行っています。
ワークショップでは、水や油に関するさまざまなクイズに挑戦し、子どもたちも楽しみながら真剣に考えていました。「油大さじ1杯を魚がすめるくらいきれいにするにはどのくらいの水が必要か」というクイズでは、なんと3tものお水が必要との答えに、子どもたちが驚く場面も。
回収した食用油からできる石けん「きなりっこ」は、添加物がなく、環境にやさしく水を汚さないこと、また、植物由来の油のバイオディーゼル燃料は空気を汚さないこと、などをマスコットキャラクターのかえるの言葉で伝えました。
ほとんどの家庭では、ごみとして捨てられている油が、資源になる「台所はまちの油田」という言葉もあり、ワークショップ終了後も興味を持った子どもたちは直接話を聞きに来たり、パンフレットを持ち帰ったりと積極的に行動していました。
出張ワークショップ終了後は、企業・団体の参加者同士で「子どもたちから環境に関する画期的な意見がたくさんあって驚いた」「もっと開催時間を長くしてディスカッションの時間を作りたい」という今後に向けて、前向きな話し合いがありました。
まるっとサステナキャンプでは、今後もこういった地域の活動についても、発信していきます。
末長小学校 SDGsワークショップ 参加企業・団体一覧
日本ダスト株式会社
日崎工業株式会社
公益財団法人かわさき市民しきん
NPO川崎市民石けんプラント
かわさき生活クラブ生活協同組合
ローカルSDGs推進チーム
株式会社リベラルコーポレーション
特定非営利活動法人 みどりなくらし
株式会社丸井
株式会社ファンケル
スナイプバレー合同会社
かわさきかえるプロジェクト
(株)JTB川崎支店
多文化読み聞かせ隊