なないろ畑でサステナブルな自然農法を体験!


今回は、神奈川県大和市にある「農業生産法人 なないろ畑株式会社」さんの農場にやってきました。その様子をレポートでお届けします。


書いた人:松熊 心咲
明治大学 農学部 食料環境政策学科

現在はあゆみYELLさん主催の、10代の居場所づくりを目的とした「つながるカフェ」の運営スタッフとして多摩区で活動しています。
環境問題とSNS発信に興味があり、今回参加させていただくことになりました。私は大学にて「農業」「食料」「環境」の三つの分野を重点的に学習しています。そこで培った知識や技術をこのインターンに活かすことが出来るよう努めます。

農場のポニー

農場に入ると、立派なポニーがお出迎え。
ポニーは、農場の草を食べて生活しているそう。

SDGsつるまパーク落葉大作戦

「SDGsつるまパーク落ち葉大作戦」は、鶴間公園の落ち葉を野菜作りに余すことなく利用するというプロジェクト。
それまでは全て焼却処分されていた鶴間公園の落ち葉を、ご自身が経営する「なないろ畑」に利用できないかということで始まったこのプロジェクトは、今年で3シーズン目と迎えたそうです。

土づくりの様子
踏込み温床の様子

実際に土の内部に触れてみると、想像以上に温かい!
一年中、50度前後を保っているとのことでした。
糠(ぬか)と水と腐葉土が何層も重なった、まるでミルフィーユのような自然の暖房設備です。
多くの方々が協力し合い、お正月返上で作られるのだそう。

落葉堆肥

踏込み温床は一年たつと落葉堆肥となり、肥料として畑に投入されるそう。「なないろ畑」では、必要以上のものを加えないというのがモットーで、この肥料もたくさんは使わないとのことでした。

育苗培土

さらに一年が経つと、写真のような育苗培土となります。

落ち葉を余すことなく使う、まさにサステナブル(持続可能)なシステムです。

土の中を覗いてみると…?


なないろ畑の代表者である「ミッチェル」こと畑中さんが、スコップで土の中を見せてくれました。中にはカブトムシの幼虫たちがたくさん! 外が寒いからか、彼らはすぐに土の中へと帰っていきました。
彼らが「なないろ畑」の土づくりを支えているそう。

雑草の中で育てる

「なないろ畑」の特徴は、全てのものが天然であること。自然栽培に出来る限り近い農法で、野菜を育てているとのことでした。慣行農業(農薬や化学肥料を使った一般的な農法)において「作物のための栄養を吸収する悪いもの」として刈られる雑草が、「なないろ畑」では欠かせない存在だそう。雑草を生やしておくことで、風が吹いても作物が倒れないなどのメリットがあるようです。

ナスの花のめしべ

余計な肥料を使わない農法により、めしべが大きく飛び出しているという特性を持っているとのこと。

種取り用のナス

テープが巻かれているのは、種取り用のナス。形や大きさが良いものが選ばれます。

ナスの収穫の様子

ハサミを使って、適切な大きさまで成長したナスを収穫しました!

収穫した野菜


みんなでたくさんの野菜を収穫しました!

ナス、ピーマン、オクラ、ミニトマト、イチジク、クウシンサイ、モロヘイヤと種類は様々。

同じ種類でも、色々な色や形を持った個性豊かな野菜が集まりました。

どれも新鮮で生き生きとしていて、たくさんのパワーをもらうことが出来ました。

野菜BBQの様子


収穫した野菜を使ってBBQ!

色とりどりの採れたて野菜を並べて、オーガニックのオリーブオイルでこんがりと焼きました。

焼き野菜のいい香り~!

CSA


「なないろ畑」では産消提携が行われています。
お野菜会員とサポーター会員という二つの方法で、消費者は生産者を支えることが出来るそう。

【追記】
どのようにサステナブルな自然農法を広げていくか
→「人々の価値感覚から変えて、流行を作る」というのがミッチェルさんのお考えだそう。

コンポストに関して
→家庭で作るコンポストは、買い手がいないという問題点があるそう。
理由として挙げられるのは、信頼性が低いということ。誰の食べ残しかもわからない他の家庭のごみからできたものを使いたい人はそう多くないだろう、とのこと。

まとめ

大学で農業や環境の勉強をしているため、持続可能なシステムを取り入れている「なないろ畑」さんの見学は、私にとって本当に貴重な機会となりました。また、CSA(地域支援型農業)や農業体験会等の「消費者参加型農場」を流行らせることで新たな価値観を広めたいという畑中さんの想いに強く共感しました。